ページトップ

  • 電話
    FAX
  • 053-454-4026
  • 営業時間:13:00-19:00/定休日:火曜日・水曜日

投げ釣り情報満載!!

【Stay United.第3弾】先人たちの偉業の紹介です。


全国の投げ釣りファンの皆様、いつもお世話になりまして、ありがとうございます。篭定釣具店、店主の寺田弘孝です。
新型コロナウイルスの影響は多方面にわたり甚大で、釣り人も魚釣りが思うようにできない環境の中で、悶々とした日々を送っているかと思います。気兼ねなくキスの投げ釣りが楽しめる日が来ますように!!

今回は、先人たちの偉業の紹介です。40年前の浜松市では、釣り人達が凄いことをやっていました。驚きです!!流石『工業の街』浜松ですね。
遥か昔の話です。遠州灘では、今とは比較にならないほど、キスがたくさん釣れていた時代の話です。ちょうど店主が父親から篭定釣具店を引き継いだ時代でもありました。

ここに登場するのが、当時、投げ釣り師憧れのリールであります名機「サーフ93(オリムピック釣具製)他」になります。
そもそも、オリムピック釣具製のリール「93シリーズ」は、1954年(昭和29年)に初号機が登場して以来、1989年(昭和64年)のキャスティ93まで、35年続いたロングセラーであったと記されております。
先ずは、参考資料として、「93シリーズ」の画像をアップさせていただきます。

  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「モデル93」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「モデル93」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「モデル93」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「モデル93」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「スーパー93」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「スーパー93」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「スーパー93」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「スーパー93」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「ウルトラ93」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「ウルトラ93」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「ウルトラ93」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「ウルトラ93」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「ウルトラ93の説明書」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「ウルトラ93の説明書」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「サーフ93(ベール切断後)」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「サーフ93(ベール切断後)」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「サーフ93(ベール切断後)」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「サーフ93(ベール切断後)」です。

浜松市は遠州灘を眼前に、遥か昔から投げ釣りが大変盛んな地域で、その釣り人の中には職人さんも多く、そして器用な方々が多いんです。浜松市は工業の街、釣り人の観点から、釣具を色々と創作してしまうんですね~。
結果、リールまで改造してしまいました。40年も前の話ですよ~当時の名機「サーフ93」他を改造したのには驚きです。

【浜松サーフF.C.の根木裕己様にその当時の記憶を辿ってもらいました。】

だいぶ前の事で記憶が曖昧な点が多々有りますが、私が浜松サーフF.C.に入会したのが1980年(昭和55年)、この年の4月例会から参加したと記憶しています。
その時の先輩達の竿は、ダイワやNFTの2P(グラスロット)を使用している人が多く、中にはオリムピックのカーボンロッドの人も居りました。この時の私の竿はオリムピックのF2、リールは多くの釣り人がオリムピックの93改造品でした。(サーフ93改造(20mmストローク)が主でウルトラ93・・・他)
この改造93は、最初に純正スプールの上部を旋盤で切削します。そして、その切削した部分に、新たに作ったジュラコン製のスプールをはめ込みます。これぞ「スプールカセット式リール」です!!

私自身はこの時点で、入会より15年以上前に93を使用していた事はあったが、浜松サーフ入会時までは、1976年に登場したダイワのプロキャスター7000を使っていました。さらに、ダイワのプロキャスター9000EXも使ってみたが、ボデーが大きく使いにくい為、1981年に先輩に進められて、「サーフ93改造(20ミリストローク)」を使い始めました。
しかし良い事ばかりでは無く、糸よりがひどく、調整方法など先輩から聞きメンテを行なったが、予備も必要になり「サーフ93改造(20ミリストローク)」を4台買ったと記憶しています。

  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「改造サーフ93(20mmストローク)」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「改造サーフ93(20mmストローク)」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「改造サーフ93(20mmストローク)」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「改造サーフ93(20mmストローク)」です。
  • 浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「改造サーフ93(20mmストローク)」です。浜松サーフF.C.の森川剛光様所有の「改造サーフ93(20mmストローク)」です。

「改造サーフ93(20ミリストローク)」が主流だった頃、さらにレベルアップした「改造93(30ミリストローク)」を使っている人がいると聞きました。
後になって現物を確認したのですが、世の中的に存在した93の30ミリ改造は、スプールの先端方向に寸法を伸ばした物なので、リールの全長はかなり長く成っていました。

浜松サーフ初代会長の山内さんと当時浜松サーフに在籍されていた石川さんが、「1980年(昭和55年)、この頃から初代プロトタイプ、独自のストローク27ミリ~30ミリのサーフ93改造モデルの製作をしていた。」と記憶しています。

1981年には実釣で使用して居りました。自分もこのリールを見て衝撃を受け、リール改造を手掛ける事となりました。スペックは27ミリストロークのサーフ93、外観はそれまでの93をスプールの先端方向に7ミリ伸ばした形にした為、先端方向に長い形になりました。ベールのローラーヒンジも当然長くなり、ヒンジバネの固定する力不足になり、作るのに苦労した覚えが有ります。

1982年(昭和57年)5月例会時、会長の山内さんが「改造サーフ93プロトタイプ」を初公開して戴き、大変衝撃を受けた事が記憶に有ります。それは今までに無いデザインでした。今では投げリールでは普通になった、フライヤーのメインシャフトカバー部分がスプールの中に入り込む構造を持たせた物でした。その時の参加者のほとんどの声は早く作ろう・・・でした。

山内さんの「改造サーフ93プロトタイプ」をベースに、主に製作に係わったメンバーでワイワイガヤガヤやって、アイデアをまとめ検討図(フリーハンド)を作り部品図にして行きました。

【部品加工】
ここからは部品作りが大変で、機械加工無しでは到底出来る物では有りません。旋盤加工を必要な部品は、石川さんの工場である石川製作所で加工してもらい、フライス盤が必要な部品は、山内さんが知り合いの鉄工所の機械を借りて作りましたが、それでも全ての部品加工と部品調達は出来なかった。あとの部品は、私の本業で付き合いの有った鉄工所(試作加工専門メーカー)の社長さんにお願いして、部品は全て調達出来ました。

【組立】
リール本体は、改造メンバーが使っていた物で年代が違う物(自己調達)・・・93本体の加工寸法公差が大きく、遊びが大きかったり、硬かったりで、調整加工をしたりで組立完了となりました。
本体が錆で傷んだ物は、当時浜松サーフに在籍しておられた酒井さんの塗装工場で塗装して貰ったりもしました。(塗装した方が新品よりも綺麗で品質が良かった。)又ベールローラーヒンジは曲げ穴あけをした物で納入した為(コストの問題)各自仕上げ加工はやりました。
ここまでやって組立は完成、スプールに糸を巻き力糸を付けてスプール高さを調整して完成しました。これが1982年の秋だった覚えがあります。

「オリムピック・改造サーフ93(30mmストローク)」を初めて実釣で使った時は、何とも言えない満足感でした。一緒にやったメンバーも同じ気分でだったと想います。

  • 浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」
  • 浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」

『デザインから来る利点・ベールヒンジの基本寸法を同じにする事が出来る為、ヒンジバネの変更無しで行ける。スプールを10ミリ長くしたが、ヒンジのローラー位置が同じの為プラス5ミリ、マイナス5ミリで10ミリ分を確保、結果プラス5ミリ分本体の大きさに影響した事となった。』
またこの年に、オリジナルおもりの開発も始めました。

1983年のシーズンには、浜松サーフの会員の中で大勢のクラブ員が「改造サーフ93(30mmストローク)」を使用しました。

1991年に投げ釣り用PE糸が発売されて、投げ釣りの世界が激変したのを今でも覚えています。
このあたりから徐々にPE糸が使いやすいリールに替えて行き、1993年頃まで「改造サーフ93(30mmストローク)」を約10年使い続けました。

今になって、この頃の遠州灘のキス釣りでは、西に行けば数沢山釣れるのが当たり前の様な時代だった。また、オリジナルのムクオモリと93のマッチングも素晴らしい出来で有った様にも思う。

  • 浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」
  • 浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」浜松サーフF.C.の根木裕己様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)」

【改造に使用したリールの機種名】
・オリムピックモデル93
・オリムピックサーフ93
・オリムピックウルトラ93

【改造前の仕様】
・ストローク20ミリ /・ドラグ付きスプール /・本体重さ約548g(実測)

【改造後の仕様】
・ストローク30ミリ
・ドラグ無し
・フライヤースプールIN
・ベールアーム無し
・ベールローラーヒンジ新設計
・メインギヤストローク決め支点変更
・支点シャフトにボールベアリング追加
・「メインシャフト、滑り子、スプール受けAssy」新設計
・スプール新設計
・スプールノブ新設計
・メインシャフトエンドキャップ新設計
・ハンドル長さ85ミリに(他機種応用)
・本体重さ約490g

【各改良点がなぜ必要だったか】
・飛距離(1色UP)
・本体重さ(500gを切る)
・操作性
・ベールヒンジ帰り防止
・設計時点での目標を「快適に釣りが出来る」とした為。

【その他】
・完成当初、他の釣り人が持っていないリールでキス釣りをする事は、一歩先を行っている気分になる事が出来た。
・この時代は細いナイロン糸が主流で、遠投志向が強いキス釣りで有った様に思える。アタリはほとんど分からず、キスが付いているとリールの巻取りが重くなる度合で釣れているかを判断した物だった。こんな事から、やたらに思い切り投げて長い距離を引いて釣っていた。これも時流かな?

93改造では、色々な事を思ったり考えたり、業者の方々に協力して貰ったり、浜松サーフのメンバーの協力が有って完成したリールです。

  • 遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」
  • 遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」
  • 遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」
  • 遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」遠州黒潮サーフの榛村勝巳様所有の「改造サーフ93(30mmストローク)ゴールド仕様」

最後に、浜松サーフF.C.の根木裕己様、森川剛光様、遠州黒潮サーフの榛村勝巳様、ご協力をありがとうございました。心から感謝いたします。


篭定釣具店 店主 寺田弘孝